鷲尾翼のブログ

【エッセイ】#43『くだらなく、素晴らしい。/ストップ・メイキング・センス』

  「M-1グランプリ2021」を見た。

  当日はバイトのためリアルタイムでは見れなかった。なので、その日はSNSを全てシャットアウトして、ネタバレ防止に尽くした。どのコンビも面白くて、最高の3時間だった。錦鯉の二人、おめでとう!

  最終審査で錦鯉に票を入れたレジェンド、松本人志は錦鯉に決めた理由に「一番バカなヤツに入れた」と答えた。

  板の上に立つ者は、くだらなく、素晴らしく、ふざけている。

 

  僕は音楽家と言いながらも、ステージの上で演奏をしたことがほとんどない「自称」という甘えすら恥ずかしい落ちこぼれだ。だが、ステージの上に立つことに対するマイルールや「こうあるべき」という姿勢はある。こんな奴だけど。

 

  板の上に立つ者は、くだらない。

  僕の好きな人は「カッコいい」より「くだらない」を優先している。歌詞がくだらない、衣装がくだらない、普段からの私生活もくだらない。なぜ、くだらないと思うのか。それは、その人が真面目だからだ。下手にくだらないを追求すると、つまらないコントになる。

  真面目に歌を歌うし、真面目に踊る。真面目な私生活の中にクスッと笑える人間性がある。

  僕はそんなくだらない人生を送る人に憧れる。

 

  板の上に立つ者は、素晴らしい。

  僕は人前に立つことが恥ずかしい。失敗がとにかく怖くて、それが武者震いのような自分を鼓舞するものではなく、ただただ怖い。自分の無力さを本番中に気づいてしまうのが、癖でありコンプレックスで、嫌だ。その恐怖がパフォーマンスの出来に繋がるのなら、人前に立たないで音楽業を続けられる方法を考えた方がいい。

  こんな無礼者だからこそ、普段からライブのことを考えて、ファンの目の前に立つ意味を知っている人は素晴らしい。

  尊敬を込めて。

 

  好きな人がくだらなく、素晴らしい人と気づくのは、実力や素質から生まれる凄味より、初めて見たときの一目惚れの延長線だと思う。それはシンプルにその人が好きだから、その人柄を「くだらない」と笑い、「素晴らしい」と称賛するのだ。

 

  Life is Beautiful.

 

  追記。

  このエッセイを執筆するために、リバイバル上映していた「ストップ・メイキング・センス」を初めて映画館の素晴らしく整った環境で鑑賞した。最高の作品でした。

  この1週間で、3回も見ちゃった。

 

f:id:washitsuba:20211222135623j:plain

 

【本日の映画】

監督:ジョナサン・デミ
出演:トーキング・ヘッズ
制作:1984
アメリカの人気ロックバンド「トーキング・ヘッズ」が1983年12月にロサンゼルスで行なったライブの模様を、後に「羊たちの沈黙」などを手がけることになるジョナサン・デミ監督が収めたライブフィルム。黒子をセット変えに起用するなどユニークなステージをシンプルにまとめ、人気を博した。

 

【関連記事】