鷲尾翼のブログ

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【エッセイ】#39『見破る偏見/マスク』

  僕は人見知りだ。

  最近は特にその症状が悪化して、ちょっと混んでつり革に掴まっている人が多い電車に乗ると、気分が落ち込む。そのせいなのか分からないが、人を見る目が少し変わった気がする。

  それは、相手の裏の顔、仮面の奥の本当の顔を見破る能力だ。

  正確に言うと「こういう人なんだろうな…」と人を見た目で決めつけているような、嫉妬や恨み、妬みが混じった偏見のようなものだが、実際それは合っていると思う。

 

  例えば、ものすごく愛想の悪い店員がいたら「この人、人付き合いが悪そうだな。」とボソッと思ったり、改札で眉間に皺を寄せながらセカセカとホームに向かう人を見ると「この人、社内で信頼あるのかな。」と不謹慎だが思ってしまう。

  けど、たまに帰宅ラッシュで人が混み合う帰り道に、ドッと疲れ背中が丸まったサラリーマンを見るとそっと寄り添いたくなるが、結局は見放してしまう。そんな僕をまた責めてしまう。

 

  この誰にでもありそうで、偏見が詰まった能力だが、僕はある場面でかなり拗らせている。

  それは「優しい人」にあったときだ。

 

  基本、人は優しい。

  ふらっと寄った何気ない店でマニュアル言葉以外でそっと寄り添ってくれる店員さんと会話すると、その優しさに惚れる。しかし、そんな時に限って心の中の悪い自分が「うわ、この人無理して僕と会話してんだな」と偏見が過ぎる。もちろん、そんなことはない。ないと信じたいが、多分僕みたいな人間を覚えているとは思えない。

  異性ならそれ以上で、何かしらでいい感じの雰囲気になった時にもバッドエンドが心地よくなる瞬間がある。その瞬間が次第に、神頼みになり、結局その願いは叶ってしまう。その瞬間にホッとしている自分と、後悔している自分が混ざり合い、とりあえず叫びたくなる。

 

  なぜ僕はこんな拗らせているのかと、ふと考えると、僕自身が人を信じていないからだと思う。

  僕自身「表の顔」と「裏の顔」と分けている部分はあるし、そもそも表裏の境目はない方がいい。よくあるのが、信頼関係がある相手を「これからこの人との関係を大切にしていこう」と決めた瞬間から、その人の悪い瞬間を目にしてしまい、あれだけ大切にしてきた関係性がスッと消えてしまう。この瞬間は本当にショックで、ひどく落ち込み、また自分の殻に篭り、人見知りとなってしまう。

 

  一歩先の人間関係を築くには、お互い素の自分で接することだ。

  そして、お互いその姿を見た時、何も思わず続いていくことが、愛だ。

 

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【本日の映画】

監督:チャールズ・ラッセ
出演:ジム・キャリーキャメロン・ディアスなど
制作:1994
小心者のスタンリーはひょんなことから不思議なマスクを拾う。家に帰り何気なくそのマスクを着けたとたん!猛烈な竜巻と共に彼の中のもうー人の自分《マスク》が現れた。そして彼は《マスク》の力を借りて、ー目惚れしたクラブ歌手、ティナにアタックするのだが……。

 

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