鷲尾翼のブログ

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【エッセイ】#23『遠い街角でいつか/ミルク』

 ある日、こんなCMを目にした。

 

 ユニクロのCMで、桑田佳祐の「遠い街角(The wanderin' street)」と共に、同居している女性二人の映像が流れる。そこに花屋の店員役で出演している綾瀬はるかのナレーションでこう綴られている。

 

 「一緒に住む。一緒に食べる。一緒に眠る。」

 「二人がしたいことは、みんなが普段着でしていること。ただそれだけなのだ。」

 

 少し前までこのような関係性は冷ややかな目で見られる対象だったが、今の多様性の時代とともに、受け入れられている。

 僕は、このCMを見て、違和感を持たず、むしろ憧れのようにも感じた。この反応は今の時代を生きているから思うことなのか、または僕自身がこの関係性を望んでいるのか。

 正直、どちらともいえないが、どちらともいえるような難解な話だ。

 

 僕が覚えている限り、少し前の僕は同性愛は否定的な考えだった。

 周りを見れば、男性と女性という異性同士が付き合ったり、結婚したりして、それが当たり前だと思っていた。また、テレビではオネェタレントがブームで色んな番組でイケメン俳優にリアクションをしている時代だ。

 この時代はゲイと呼ばれる人はキャラクター化されて、レズビアンの人は異様な存在に感じた。そのせいか「同性愛」という言葉すら知らなかった。

 

 時は流れ、映画やドラマで同性愛を描かれることが多くなった。

 それと同時期の僕は映画が好きになり、多い時には週に6-8本観ることは当たり前だった。様々なジャンルや時代の映画を観ると「同性愛」をテーマにしている作品にも触れる機会が多くなった。

 その時期から「同性愛」という関係性に対する違和感が気づいたら消えていた。

 

 僕は同性愛については、何度も考えてしまう。

 僕は相手に尽くしてしまう人間だと思う。簡単に言えば自分勝手なメンヘラで、何度も相手を困らせて、何度も友達と呼んでいた人が離れていった。

 僕にとって人と何気ない時間を過ごせる関係性はものすごく貴重なことだ。それが恋人関係であろうと、気軽な友達であろうと、女性でも、男性でも、ものすごく嬉しいことだ。

 それが度が過ぎて人間関係に対してコンプレックスを今でも抱えている。

 

 何気ない時間に会えるような関係が嬉しい僕にとって、異性だろうと、同性だろうと関係ない。

 そこに愛があるから、会いたいと思うのだろう。

 

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【本日の映画】
制作:2008
1970年代のアメリカで、同性愛者であることを公表して公職に就いたアメリカ初の政治家ハーヴェイ・ミルクの生き様を描く伝記ドラマ。同役ですでに多数の映画賞を制覇しているショーンの熱演と、今なお尊敬の念を集めるミルクの愛すべき人柄をフィルムに焼き付けたガス・ヴァン・サントの手腕を堪能したい。
 
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