鷲尾翼のブログ

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【エッセイ】#17『見た目と中身と孤独/ドラゴン・タトゥーの女』

 見た目の印象と中身は違うことが大半だ。

 少し街を歩けば電車の出発時間に追われるサラリーマンや、歩きスマホをする若者、演説をする名もなき政治家、公園でのんびり過ごすおばあちゃん。しかし、この中に犯罪を企てる人がいてもおかしくない。

 その逆で、一見怖そうな見た目の人でも、本当は子犬が大好きな優しい人かもしれない。

 

 僕みたいな無味な見た目の人間は、見た目から語れるものは、まずない。そのため、自分をアピール出来るような場を本能的に避けてしまう。

 僕は音楽家、文筆家、芸術家と表舞台に立つことで成り立つ職業を名乗っているが、出来れば人目を避けて活動をし続けたい。

 その大本は、自分の職業や夢を堂々と語れるか、だ。

 

 よく新人のミュージシャンが「将来の夢は?」という質問に「武道館に立つこと」や「世界中の人々を笑顔にする」など大規模な夢を堂々と語っているところをよく見る。

 また、僕は今バイトで生活しているフリーターの身だが、同じように音楽業界を夢見る若者と共に働くことが多い。その若者も音楽の専門学校に通って、具体的な将来像を堂々と語っている。

 

 僕はそういう夢を語ることは今まで一度もない。

 夢を語ることは正直恥ずかしい部分もあるが、音楽業だったら「武道館」「紅白」みたいな誰もが夢見るステージに憧れを抱いたことがない。

 その原因として僕なりに思うことは、明確なゴールを決めれないことだと思う。

 

 僕の創造的衝動を満たすためには、モノを生み出し続けるしかない。

 音楽家として黙々と楽曲を作り、芸術家として作品を作り続ける。文筆家として、こうやって文章を書き続ける。

 また、僕が不定期ながら映画感想をSNSに投稿し続けるもの、まさに衝動を満たす行動と言えるだろう。

 この衝動の日々が終わる時は、自分が力尽きて死ぬ時だ。死んだときに自分がどれだけ作品を生み出したか、その記録と芸術のために今日も衝動に駆られる。

 

 しかし、残酷なことにそんな思考で活動している人は身のまわりには誰もいない。当然だが、ライブで演奏したほうが認知されるし、こうやって細々とブログでエッセイを書き続けることは明らかな遠回りだ。

 だが、孤独故に、こうやって踠きながら生み出し続けなければいけない。

 

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【本日の映画】
ドラゴン・タトゥーの女 (字幕版)

ドラゴン・タトゥーの女 (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 
制作:2011
『ミレニアム』3部作として映画にもなったスウェーデンのベストセラー小説をハリウッドで映画化。『ソーシャル・ネットワーク』のデヴィッド・フィンチャーが監督を務め、白夜のスウェーデンを舞台に、数十年に及ぶ血族の因縁と猟奇的ミステリーに彩られた物語が展開する。
 
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