鷲尾翼のブログ

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【エッセイ】#14『敗北の正体/リトル・ミス・サンシャイン』

 僕はたまに負ける意味を考えてしまう。

 

 負けることは、悔しい。

 日常をのんびり過ごしているつもりでも、仕事場で怒られたり、飲食店で自分が頼んだものだけ遅れてきたり、雨の日に傘を差して一方通行の細い道を歩いていたら、向かい側に知らない人がスマホ片手に同じように傘を差して歩いてきて、仕方なく傘を閉じて道を譲ってずぶ濡れになったり。

 悲しいことだが何気ない日常は、敗北で溢れている。

 

 僕は音楽家、文筆家、芸術家として様々な創作活動をしている。

 ある時は楽曲製作に励み、ある時は試行錯誤しながら一枚を絵を完成させる。そして、こうやって文筆業をしたりもする。他にも趣味の映画鑑賞に対して、映画感想を投稿したり、ラジオブログもしている。

 周りの人より少しだけ創作活動をしているつもりだが、この手の活動は「結果」を出さない限り、負け犬に過ぎない。

 

 負けてばかりの現実に正直背を向けたくなる。人によっては、負けた事実を忘れるために暴飲暴食を繰り返したり、ギャンブルの沼に足を踏み入れたり、自分を傷つけてしまうことがある。

 しかし、「敗北」にも自分の糧になる場合もある。

 

 テレビで活躍する人気者や、国の代表として走るスポーツマンなど憧れの的になる人は皆、敗北を何度も経験している。

 己のスキルを向上するきっかけのほとんどは、敗北を経験したときだ。恥ずかしいほど負けて、涙を流して、それを怒りに変えて、次の目標にする。それを一歩一歩階段のように踏み進めると、気づけば憧れた人と肩を並べる立派な一人となる。

 

 よく人気者は努力に対して「自分は何もやってない」と謙虚な発言をする場面が多いが、実は違う。

 例えば腹筋10回を毎日していると、当然だが腹筋していることに飽きてしまう。ある人は腹筋をすること自体を辞めてしまうが、ある人は腹筋を20回と回数を増やしたり、スクワットや腕立てなど他のことを足して継続する。

 気付けば腹筋10回することに5分もかからなかったが、それを同じ感覚で様々な筋トレを1時間かけて行う。

 そうすると、周りからはものすごく筋トレ熱心な人に見えるが、当の本人は腹筋10回程度と思っているため「自分は何もやってない」と謙虚になる。

 

 もちろん、「やるか、やらないか」の二択を提示された時、諦めることも一つの手だが、周りにいる仕事が出来る人、運動が出来る人、自分には持ってない凄味を感じる人は皆謙虚な姿勢で敗北を味わっている。

 

 ここまで長々と語っているが、現状僕は負けてばかりの負け犬だ。

 その証拠にこの文章も締切を守らず、ダラダラ過ごしていて、公開される金曜の昼に間に合うように朝の8時に急いで書いている今日この頃だ。

 おかげで、今日のタイムスケジュールは大幅に変わりつつある。

 

 今日も負けながら、日常を過ごす。

 

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【本日の映画】
リトル・ミス・サンシャイン (字幕版)

リトル・ミス・サンシャイン (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 
制作:2006
サンダンスを始め、多くの国際映画祭で、スタンディング・オベーションの絶賛を受けたロードムービー。美少女コンテストのクィーンを夢見る少女とその個性的な家族が、黄色いワゴン車に乗ってコンテスト会場を目指す姿を描く。
 
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