鷲尾翼のブログ

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【エッセイ】#12『猟奇的な教育/タクシードライバー』

 孤独は時に猟奇的だ。

 

 人からどう思われようとも構わない。それに、考えていることは嫉妬と妬み、苛立ち。時にそれは殺意へと変わり、一歩踏み外さばシリアルキラーの仲間入り。

 要は、孤独は殺人鬼予備群とも言える。

 

 僕はそんな予備群の重症者のひとりだ。

 ムカつくことがあっても、愚痴を聞いてくれる友人などいない。傷だらけの心や疲労を吐露しても同情などしてくれない。しかし、嫉妬や妬みは日に日に募るばかりだ。

 ここ最近はまさにピークな状態で、歩む道を一歩一歩間違えないように慎重に、ストレスで精神が参ろうとも冷静に一日を生きている。

 だが、隙あれば殺意も湧いて来る。

 

 鋭い刃物で刺そうか、毒でジワジワ苦しませようか、思い切って額に目掛けて拳銃で撃とうか。多種多様なシチュエーションを考えてしまうが、あくまでもそれは空想で留めている。この一歩で人生が変わってしまうことは百も承知だ。

 そんな空想は誰かに怒られたり、街中でイラっと来てしまった知らない人に遭遇したときに繰り広げられるが、空想を終えた後に思うのは、人の命はものすごく一瞬だ。

 仮に、僕が拳銃をポケットに忍ばせてあって、苛立つ瞬間に遭遇した場合、さっきまで怒気を帯びていた人が、血潮を浴びて動かなくなる。ホアキン・フェニックス主演の映画「JOKER」のラストシーンのロバート・デ・ニーロの姿を想像してくれたら、お分かりいただけるだろう。

 その時には爽快感と背徳感を疑似的に感じるが、それはシリアルキラーにとっては快感と捉えるだろう。

 しかし、僕の場合あくまで空想の世界で、血潮を浴びていたアイツが蘇り、なお怒気に満ちる。これが現実だ。

 

 今書いたことを軽く読んでいるところだが、かなり猟奇的だ。しかし、こんなことを思っても誰も何も思わない。

 これが、孤独が生む悪循環のひとつだ。

 

 人間が何かを学ぶとき、何かを見様見真似で真似たり、勉強したりするが、そのひとつに評価されることも重要だ。

 自分が最高だと思って提供したとしても、受け手の評価はそれぞれで、ある人は褒めまくるかもしれないが、ある人は恐ろしく馬鹿にしてくるだろう。ましてや、多くは平均的な可もなく不可もない心無い評価をしていく。

 そんな多方面な意見を素直に聞き、何がダメだったのかを考え、学ぶことを「教育」だと思う。

 

 その教育の場面が、猟奇的な空想の世界では通用しない。

 だから、孤独は永遠なのだ。

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【本日の映画】
タクシードライバー (字幕版)

タクシードライバー (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 
制作:1976
ニューヨークの夜を走るひとりのタクシードライバーを主人公に、現代都市に潜む狂気と混乱を描き出した傑作。この映画に影響されてジョン・ヒンクリーがレーガン大統領暗殺未遂事件を起こした。
 
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