鷲尾翼のブログ

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【エッセイ】#03『完璧ではない自由/イントゥ・ザ・ワイルド』

 僕の人生の目標のひとつに「自由」がある。

 生まれて23年と決して人に自慢できる人生ではないが、その多くは自由とはかけ離れた苦しみばかりだった。

 

 今でこそ自由を感じる瞬間は多いが、それまでは誰かの人生を生きているようだった。自分の意見や個性を殺して、誰かが提案した職業や生き方を疑いもなく進んでいたと思う。

 しかし、それは自由ではなく教育でもない。洗脳だ。

 

 そんな洗脳人生も、あるきっかけで気づき、自由を求め始める。

 僕にとってのきっかけは星野源だった。

 

 高校生の卒業間近の昼休み、何気なくYouTubeで聴いた星野源の楽曲に受けて、星野源の生き方に憧れた。僕は今、音楽家、文筆家、芸術家と三足の草鞋で活動しているが、その影響にあるのは紛れもなく彼だ。

 

 それから自由を求め、洗脳から少しずつ逃れるように生きているが、僕は気づいてしまった。「完璧な自由は無い」と。

 

 僕の職業は、規則正しい社会人とは正反対のものだ。

 そのひとつは自由を求めた結果だ。誰かに頼まれたわけでもなく、自分が好きなものを創造し、生み出していく。職業の型すら自由を求めて、三つも抱えている。

 しかし、僕はまだ自由ではない。

 

 では、「完璧な自由」とは何か。

 それは死だ。

 

 死んだ後はその姿や形、その未来も、誰も知らない。

 ある人は幽霊になり、今も生きていると言う。

 ある人は天に召されて、見守っていると言う。

 ある人は地獄に落ちて、今も苦しんでいると言う。

 

 生きている限りストレスのない自由な人生を生きることは出来ない。しかし、近年自ら命を絶つニュースを見る機会も多くなった。

 それは誰にも言えないほど苦しんで、どれだけ生きても辛い不自由な環境に悩み続けたひとつの選択だと思う。

 

 僕は自ら命を絶った人に悲しい言葉を贈らない。

 よく「信じられません」という言葉を捧げる人がいる。しかし、それは主観的な言葉だ。

 だから僕はどんな人でも、どんな形でも、ひとつの人生を終えた意味を込めて「お疲れさま」という言葉を捧げる。

 

 僕の人生は、例え完璧じゃなくても自由に生きたい。

 一度、自由を失った人間の言葉だ。

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【今日の映画】

イントゥ・ザ・ワイルド [DVD]

イントゥ・ザ・ワイルド [DVD]

  • 発売日: 2009/02/27
  • メディア: DVD
 

監督・脚本:ショーン・ペン
出演:エミール・ハッシュ、ハル・ホルブルックなど
制作:2007
すべてを捨てアラスカへと放浪の旅へ出た裕福な青年の心の軌跡を描いた人間ドラマ。ショーン・ペンが監督を務め、原作は冒険家ジョン・クラカワー著のノンフィクション小説「荒野へ」。

 

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