シェイクスピアの劇にはこういう台詞がある。
「この世は舞台、人はみな役者だ」
主観的にも客観的にも、ふと感じることがある。
僕の人生観は計画的なことが多い。
「今年の夏休みはハワイに行きたい!」みたいな曖昧だがいつ頃に何をやりたいかを決めているように、僕は今日から1週間までの日時を「9:00 起床」「10:30 洗濯」といつの何時に何をやるか、何の映画やドラマを観るか。
とにかく無計画でボーっとしていることが嫌いだから、こんな面倒くさいことをしている。
しかし、現実はこんな計画的な日常は簡単に過ごせない。
買い物に出かければ、店の混み具合や買いたかったものがその店舗に無かったりと、悲劇が生まれる。
人間関係なんか特に思い通りにいかない。
めちゃくちゃ怒られるし、めちゃくちゃ腹が立つ。それで悩み続けて「人生」という膨大で先が見えない未来に絶望を感じる日もよくある。
そのせいかメディアで活躍している成功者のエピソードを聞くと、どこか「起承転結」で割り振れるような舞台劇に感じる。
そのエピソードは多種多様だが、共通して言えることは、自分の人生をそのぐらい語れるということだ。
普通に大学まで進学して、普通に就職して、普通に定年まで過ごして、普通に人生を終える。ごく普通な人生にどこか哀愁を感じるが、そういう無変化な人生を気づかず過ごしてる人がいることも事実だ。
僕は今年の1月で23歳になったばかりだが、自分が起承転結のどこにいつのか分からない。予想では「承」ぐらい下り坂な人生を過ごしているを感じているが、もしも誰かに「結」だったと知らされた時再び絶望に感じる。それも都合よく「エピソード2」と切り返れるものでもない。
そんな上手くいかない人生でも時に喜劇に感じる瞬間もある。
好きな音楽を聴いたり、好きな映画を観ている時、他にも小説やスポーツなど趣味や生きがいとして楽しむものには、喜劇にふさわしい生きる力がある。
僕はそんな生きがいを音楽家、文筆家、芸術家として時に苦しみながら、時に楽しみながら今日を生きている。
「この世は舞台、人はみな役者だ」
【今回の映画】
監督・脚本:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
出演:マイケル・キートン、エドワード・ノートン、エマ・ストーン他
制作:2014
『バベル』などのアレハンドロ・G・イニャリトゥが監督を務め、落ち目の俳優が現実と幻想のはざまで追い込まれるさまを描いたブラックコメディー。人気の落ちた俳優が、ブロードウェイの舞台で復活しようとする中で、不運と精神的なダメージを重ねていく姿を映す。
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