鷲尾翼のブログ

【エッセイ】#73『弾き語り』

 2020年9月11日、金曜日の朝。

 僕は自主制作のラジオの企画でギターの弾き語りをした。その様子はYouTubeに残っているので、興味がある人は調べてほしいのだが、はっきり言って下手くそな演奏だった。

 なので、ここからはあの頃の反省会を兼ねてここに記す。

 

 まず、弾き語りをしたのがかなり久々だったことに収録手前で気づいてしまった。僕が客前で弾き語りをしたのが今から3~4年前だったと思う。

 その頃の僕は自分の自作曲を20~30曲作るぐらい異様な自己愛と音楽好きに溢れていた。そうなるといつしか「人前で弾き語りをしてみたい!」と思うようになるのだが、どう披露するのかが最大の難点だった。

 パッと浮かぶのが「路上ライブ」なのだが、一番最初の弾き語りにしてはハードルが高すぎるにリスクもある。仮に警察ごとになった場合、僕を支援してくれたり味方になってくれる人もいないので、ちょっとした好奇心で前科がついてしまうかもしれない。

 合法的に弾き語りが出来る方法を調べた結果「オープンマイク」という方法にたどり着いた。

 「オープンマイク」とは、簡単に言えば「予約なしで入店してお金を払ってパフォーマンスを披露する」システムだ。ライブハウスと違う点で言うと、収入はおろか、むしろマイナスになるし、披露するお客さんも全員パフォーマンスをしたくて集まってきているので見る目が違う。だが、個人の行動力で合法的にパフォーマンスが出来る利点がある。

 僕はオープンマイクシステムを売りにしているバーなどを都内で調べて、スケジュールを立てて「弾き語り計画」を企てた。

 

 全部で3~4店、期間として一ヵ月も満たなかったが、初めての弾き語りは経験値としてはかなり高い時間だと改めて思う。毎回失敗するし、偉そうなサラリーマンに色々言われたこともあったが、自作曲に対する率直な感想はどんな感想でもどこか嬉しかった。

 

 あの経験以来、ちゃんと弾き語りと向き合うことはなぜかなかった。オープンマイクで披露することもなかったし、作詞作曲も全然しなくなった。

 それまでの期間、僕は何をしていたかと思うと、好きな音楽に合わせて独学でギターを演奏しまくっていた。コード譜を見ながら演奏するわけでもなく、姿見で自分がギターを弾いている姿や指使いを見ながらどにかく遊び半分で弾いていた。

 

 結論、この行動は「弾き語り」というパフォーマンスに対しての経験値には繋がらなかったと思う。確かにギタースキルは上がったし、耳コピできるようになったが、あくまで「ギターパフォーマンス」に過ぎない。

 ギターを弾くことは出来る、歌も歌える。だが、ギターを弾きながら歌う「弾き語り」というパフォーマンスになると経験値が無い以上、下手くそなのだ。

 

 ラジオの収録を終えた数日間はとにかく落ち込んだ。「音楽家」という職業を辞めようかと何度も思った。しかし、あの久々の弾き語りを聞いてると、初めて弾き語りを客前で披露したときに感じた可能性も感じ始めている。

 

 「ここをこうしたらいいんじゃないのか?」

 「この部分をこうしたら面白いんじゃないのか?」

 「次やる時はこうしたいな」

 

 可能性が広がる日々、希望が見え始めた日々、そんな日々を好奇心と遊び心で歩める時間は何よりも嬉しい。

 

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