鷲尾翼のブログ

【エッセイ】#71『友達がいない』

 「友達がいない」

 

 この一言でその人の性格や人格、生い立ちが瞬時にネガティブになってしまういわくつきの言葉だが、テレビやラジオを聴いていると、この言葉はよく聞く。

 自分に保険をかけているのか、孤独自慢に浸っているのか、よく考えてみるとますます迷宮入りしてしまう言葉だ。

 

 それを踏まえて言うが、僕は友達がいない。

 連絡先は家族と親戚しか知らないし、外出するのも基本一人だ。よく「ひとり○○をよくします」という人気の女優やイケメン俳優のエピソードトークに「えーっ意外!」と驚いているシーンをよく見るが、僕にとっては日常に口を出されている気分だ。

 

 そんな友達が本当にいない僕が常日頃思っていることがある。

 先ほどの話に繋がるかもしれないが、「友達いない詐欺」がテレビやラジオでよく見る。

 例えば、冒頭に「私、友達がいなくて…」といいながら次のエピソードで「この間、友達と…」と話すシーンを頻繁に目撃する。

 他にも、テレビで友達がいないと公言した女優のインスタグラムには、複数人映っている写真ばかりで、「友達がいない」という単純な言葉を意味を理解しないまま使っている自虐話が多い。

 

 しかし、意味を持たずに「友達がいない」と言ってしまう気持ちは分かる。強調することもなくサラッと言える割には、簡単に自分を謙虚に見せれる魔法の言葉でもあり、取り扱い注意なワードだ。

 

 だが、「友達いない詐欺」は正直許せない。

 僕みたいな本当に友達がいない人は、言い方を変えれば苦手なことが一人では出来ないことをしているときに誰にも頼れずに黙々と苦手なことを嫌々こなしている人間とも言える。

 友達がいないからこそ、辛いこともあるし、友達を作りたくても作れない人もいる。そんな苦労を抱えている人達を、友達が2~3人いるのに「いない」と偽っている人と同等に扱われるのが残念だ。そして、結局友達がいる人が美化される残酷な結末を迎える。

 たとえ僕みたいな友達が本当にいない人が「友達がいないんです」と悩みを打ち明けても、受け手は「多少友達がいる人」と捉えられてしまう。

 

 なので、僕は「友達がいない」ことを隠すように孤独に生きている。正直、理解してもらおうと思うことを諦めている。

 しかし、世間は「友達がいない=コンプレックス」だと思っている人がほとんどだ。本屋に行けば「コミュ障を治そう!」という見出しの自己啓発本が山積みになっていたり、実際そのような見出しに影響されて人間関係に悩んでいる人が多い気がする。

 

 そんな人に、迷わず言えることがある。

 友達がいなくてもいい。むしろ、友達がいない方が生きやすいこともある。

 

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