鷲尾翼のブログ

モノクロで桃色な、僕のヒーロー/「Crazy Crazy/桜の森」星野源

  僕は音楽家、文筆家、画家として活動している。その上で「星野源」という存在は僕にとって欠かせないものだ。

 そう思わせてくれたのは2014年6月、僕が高校2年生の頃だ。

 

 

僕にとっての「星野源

 当時、「星野源」という名前はそこまでメジャーではなかった。同年放送された情熱大陸でも、武道館公演もしている彼を「コアな存在」として扱ったほどだ。

 

 当時の僕は「好きな音楽」に対して疑問を持っていた。60~90年代のJ-POP・歌謡曲やヒットした洋楽の好んで聴いていて当時持っていた音楽プレイヤーに600曲ほど入っていたのにも関わらず、「好きな曲は?」という質問が難問だった。僕としては「これぞ完璧な一曲!」とも言える100点満点の楽曲を紹介したいのに、僕が好きで聴いていたものはあくまでも「好きなジャンル」である特定の人物を崇拝する「ファン」とは違った。

 そんな時に、学校生活に馴染めず、昼休みに誰もいない屋上にあるほうきや雑巾だらけの用具室の一角で過ごしていると、YouTubeの急上昇ランキングに連日ランクインしている動画が気になった。

 それが「Crazy Crazy/桜の森」のMVだった。



 「星野源」という名前も知らないが、モノクロなサムネイルに好んで聴いていた歌謡曲の情景を感じて興味本位でMVを見た。

 「100点満点の音楽」を探していた僕にとってこの「Crazy Crazy」という楽曲が、寸分の狂いもないど真ん中を貫く、漫画のようなくの字の形で飛ばされるような衝撃を受けた。

 

 そこから「星野源」という存在が気になり、影響を受けまくった。

 これまでに出したシングル・アルバムを聞いて日常を捉えた音楽にストレートで過激、かつ文学的な歌詞に惹かれた。

 ラジオを聴いて、下ネタやくだらない話が飛び交う時間がとにかく楽しかった。

 

 それから、僕は「星野源」の真似を始め、音楽を始め、文筆を始め、ラジオを聴き始めた。今では「音楽家、文筆家、画家」として活動しているが、完全に彼の影響を受けている。

 ちなみに、星野源は「俳優」として活動していて、実際僕も同じように演技の勉強をしていた時期もあったが、演技力の無さにあえなく断念した。

 

 僕にとって「星野源」という存在は、ヒーローであり、ライバルだ。

 

「Crazy Crazy」のここがスゴイ!



 初めて聞いたときの僕は衝動的に感動したが、楽曲解説するほどの知識はなかったが、今この楽曲を聞くと「ブラックミュージック」を追求したロックでジャジーなものだ。

 

 2015年12月に4thアルバム「YELLO DANCER」が発売された頃、星野源は「ブラックミュージック」という言葉を雑誌のインタビューやラジオで発していた。

 そもそもブラックミュージックとは、黒人音楽の総称で強いビート・グルーヴが特徴だ。ブルースやR&B、ヒップホップなどが代表的な例だ。


 ブラックミュージックの表現する上で欠かせない楽器が「ベース」と「ドラム」だ。

 通称「リズム隊」とも言われるリズムやビート、グルーヴを生み出す音楽の骨格を作る重要な存在だ。

 その上でこの「Crazy Crazy」という楽曲には「ベース」「ドラム」「ピアノ」「タンバリン」の4つの楽器でしか構成されていない。それなのに、激しいロックサウンドにも聞こえる部分もあるし、大人なジャズの情緒も感じる。

 シンプルな構造で、多種多様な音楽を一曲で表現している「音楽の根源」を思わせる、唯一無二の楽曲だ。

 

「桜の森」のここがスゴイ!

※3分43秒辺りからちょっとだけ流れます。

 

 当時の僕はこのMVを何度も観た。何度も観る上で気になるのがほんの数秒のサビだけ流れる「桜の森」だった。登下校の最中も口ずさむのは「僕はただ見てる それをただ見つめてる…」だった。

 発売から6年経った今でも、星野源のライブでは必ずといってもいいほど披露される楽曲で、彼の楽曲の中でもかなりグルーヴィーかつ遊び心溢れる一曲だ。

 

 余談だが、僕がこのブログで週に一度書いているエッセイのタイトルが「桜の森のリズム」で、この楽曲から引用している。

 

 この「桜の森」が収録されたシングルが発売される前、星野源くも膜下出血による手術、入院のため2度活動休止をしている。

 そんな精神的にも体力的にも厳しい時期に音楽と距離を置いていた彼は、休業中のある日の夜、散歩中に持参した音楽プレイヤーからランダムで再生した一曲目がPrince(プリンス)の「I Wanna Be Your Lover」

 その底抜けに明るいプリンスのポップサウンドに憧れ、出来た楽曲が「桜の森」だという。

 

 ブラックミュージックならではのループサウンド、そこから生まれるグルーヴがたまらないが、歌詞も面白い。

 メッセージ性が少ない反面、リズムに合わせた言わば「当て字」のようなサザンオールスターズの楽曲に似た部分を感じる。

 

 それに加えて単純な「エロ」や「下ネタ」というより聞き手の想像力を掻き立てる『官能的』表現が合う遊び心がある。彼自身もラジオで「官能的な日本文学をディスコクラシックとかけ合わせてみたい」と発している。

※20分28秒辺りから「桜の森」の解説

 

 僕自身もつい最近、音楽業や文筆業はもちろん、日常的な生活面でも何も活動できなくなった精神的状況だった。そんな時にふと4thアルバム「YELLO DANCER」の初回限定盤に収録されている「星野源のひとりエッジ in 武道館」のライブ映像を何年かぶりに鑑賞した。

 6年前のあの衝動的に彼に憧れ、音楽と向き合い始めたあの時を思い出した。

 特に桃色の照明に照らされて「桜の森」を演奏している彼の姿がとにかくカッコよくて、暗闇の部屋がどこか明るく感じた。

 

 「遊び心」を追求する僕の活動にとって、「桜の森」はエネルギーとして吸収したくなる素晴らしい楽曲だ。

 

「Crazy Crazy/桜の森」(通常盤)

「Crazy Crazy/桜の森」(通常盤)

  • アーティスト:星野源
  • 発売日: 2014/06/11
  • メディア: CD
 
YELLOW DANCER (通常盤)

YELLOW DANCER (通常盤)

  • アーティスト:星野 源
  • 発売日: 2015/12/02
  • メディア: CD
 

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 最後に。

 約4か月ぶりに好きな音楽を語りましたが、今回の記事を持って楽曲解説「1分で伝わる好きな音楽」を終了したいと思います。

 詳しい理由や経緯については今週のラジオでも話そうと思います。

 

 約1年5か月間、ありがとうございました。

 

※追記

8月1日放送のラジオ回で語りました。よかったら聞いてください。

 

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【今日のひとこと】

こういう時の一言って難しいよね。