鷲尾翼のブログ

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【エッセイ】#65『売れる本音』

 僕が文筆家になった経緯を軽く話そう。

 僕は今もそうだが読書オンチで、他の人に比べたら一冊に対して受け取れる情報量は著しく少ない。しかし、2回3回と読み直す気も起きない。そんな中で高校生の時に好きになった星野源が書いた「働く男」というエッセイの文庫本を買って、「文筆業」を知った。そこから見様見真似で親戚からもらった分厚くてキーボードのキーもひとつふたつ無くなっているジャンクなノートパソコンで自分なりにエッセイを書き続けた。

 そして、今「文筆家」として本も出版したことないがブログで週に1回書いている。

 

 しかし、今本屋にいっても正直あの頃みたいな「見様見真似で真似したくなるような本」に出会えない。

 今の時代、売れているエッセイ本は従来の著名人の本音が詰まったものとは違う。SNS上で有名なギャル風の人が、ギャルっぽい口調で「なんでそんなことで悩んでるの?バカじゃないの??」みたいな内容のエッセイ本がエッセイというジャンルの中で確立しつつある。そんな本が本屋に行けば「エッセイ」のジャンルに一際目立つところに置いてたりする。

 そもそも「エッセイ」という言葉の意味は「自由な言葉、文法で書かれた文章」とあるので、いわゆる小説のような「起承転結」がなくても成り立ってしまう自由なジャンルだ。なので、ギャルエッセイが邪道というわけでもない。

 

 今、軽くAmazonで「エッセイ」と調べて出てくる本の表紙やタイトルを見ていると、「本音」が目立っている気がする。

 テレビで活躍する有名人の本音、YouTuberの本音、一般人の子育てや仕事に対する本音。タイトルも個性を出そうと必死だ。著名人は何気ないタイトルでも自分の名前で個性が生まれるが、その他はタイトルで全てを話しているような乱暴な個性ばかりだ。「中学で親が離婚して借金地獄で死にたかった私の、今と、これから」みたいな。

 

  こういうものを見ると「売れる」という欲は、周りの力もあるのだと思う。

 自分が伝えたいことが100%だとしたら、他の人の曖昧なイメージだったり「諸事情」という名の悪行で80、70と減り、時に周りの力が自分が伝えたいことを超えてしまう場合がある。そして、それを「自分が伝えたいこと」というまっさらな本音として世に出てしまう。

 

 僕は今、ブログという自己管理が出来る場で本音をぶつけているが、ひょうんなことから形にする可能性もある。そういう時は周りに流されない本音を伝えたい。

  まぁ、所詮知名度が無ければ、こういう言葉を愚痴に過ぎない。

 

 

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