鷲尾翼のブログ

【エッセイ】#55『ネタバレ』

 『シックス・センス』という映画はご存じだろうか。いや、知っていることが常識になってしまっていると思うほどの作品だ。

 

 『シックス・センス』とは、1999年に公開されたミステリー映画。主演はブルース・ウィルス、監督はM・ナイト・シャマラン。その年のアカデミー賞には、作品賞、監督賞、脚本賞助演男優賞助演女優賞の5つの賞にノミネートされた。

 また、映画の冒頭にはブルース・ウィルスからのメッセージで「この映画にはある秘密があります。まだ映画を見ていない人には、決して話さないで下さい」とネタバレを注意する文章が表示される。

 なので、この文章には一応映画の内容は伏せておく。一応ね。

 

 某レンタルショップでは『シックス・センス』に「ネタバレしてでも観たい」とコメントがされているほど、この映画はネタバレに呪われている。

 僕自身も映画を観る前にネタバレの被害にあった人間だ。

 

 あるバラエティ番組である一人の芸人が「シックス・センスかっ!」とツッコミをして、映画の内容が分かってしまうほどのその場の解説や自分の状況を話した。

 当時の僕はポカンとしていたが、テレビに映るスタジオでは司会者も含めて大爆笑。年末には番組の名場面として紹介、MVPにもなっていた。

 

 このバラエティ番組を見た年は確か中学生、少なくとも自分で幼いと思える年齢だった。それから今、22歳という年齢になるまでには『シックス・センス』の内容なんか観なくても分かっていた。

 しかし、昨年の夏から突然映画が好きになり、月に20~30本を鑑賞するようになった。それに加えて、このご時世も加わって映画を観ることが習慣化してしまうほど映画鑑賞が必須になっていきている。

 「次はどの作品を観ようか…」とその日2本の映画を観終わって、多少の疲労感も残りながらも考えていると、ふと過るのはあの作品。

 そして、僕は『シックス・センス』を観ることにした。

 

 僕の映画の観方は、作品の面白さや興味の度合いで変わってくる。基本はスマホタブレットをいじりながら観る、いわゆる「ながら観」をしながら観始め、「おっ、面白そう!」と感じるものには映画に釘付けになり、「なんか、難しそうだな…」と感じたものにはスマホいじりに夢中になる。

 周りの人が自分の姿を見れば、自分がその作品に興味があるのか分かってしまうほど僕は分かりやすい人間だ。

 

 時刻は朝の4時。眠気と戦いながらも『シックス・センス』を観始めたのだが、結論から言うともう一度観ようと思った。

 再生ボタンを押し、ながら観で観始めると、ある異変に気付いた。僕は映画のネタバレ被害にあっているせいか、作品の伏線がくっきり浮き出てしまっているのだ。多分、当時の人からしたら劇場に2回足を運びたくなるほどの興奮ポイントだと思うのだが、僕には不思議な気持ちでしかなかった。

 

 「初めて観るのに、何かこのシーン…」そう思いながら、パッと画面を見るとエンドロールが流れていた。ながら観と先ほどの違和感、そして深夜に映画を2本観ていることでの疲労・睡魔により興味が薄れたり何度も寝てしまった。

 

 しかし、僕は全く後悔していない。

 この現象は「シックスセンス現象」と言いたい。一度も観たことが無いのに、ただオチを知っているだけなのに、いざ初めて観ると知らなければいけない内容よりもその先の伏線の楽しみを優先してしまう。多分、この現象は『シックス・センス』以外では味わえないものだろう。

 結局、僕は『シックス・センス』を観たとは言えない。

 

 またレンタルして観るとしよう。

 早くネタバレという概念のない「鑑賞済み」の人間にならなければ。

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