鷲尾翼のブログ

【エッセイ】#53『処女作』

 このブログを立ち上げたのが2019年2月。

 その頃からこの連載エッセイ「桜の森のリズム」が続いている。一時期連載が一ヵ月程度ストップしてしまったが、2020年4月現在50回を超える数のエピソードを書いた。

 

 しかし、「エッセイを書く」という行動は2019年より前に始まっていた。というのも、さっきまで普段使っているパソコンに保存してあるデータを整理していた。生活費やラジオの素材など少しでもパソコンの動きをよくするために整理整頓をしていた。

 すると、「過去のエッセイ」という驚くほどシンプルなフォルダーを見つけた。

 自分はエッセイで書いたことやラジオで話したことはある程度覚えているが、これに限っては全く覚えていない。興味本位でフォルダーを開いてみると、約30本のエッセイがあった。

 日付は一番古くて2017年2月、実に3年前の処女作だ。

 

 恐る恐る読んでみると、もちろんだが今の文章とは違う。

 映画を観た感想も踏まえて、自分のエピソードを語っていた。それも下手くそな文章とまどろっこしい起承転結が胸やけする。

 何本か読んでいると、なぜ僕がエッセイを書くようになったのか思い出してきた。

 

 きっかけは、星野源だ。

 当時僕は本を見るだけで不機嫌になる典型的な「読書オンチ」だった。そんな中、星野源の「Crazy Crazy」を聴いて、星野源にハマっていた。星野源を調べれば知ればるほど興味が湧くし、面白い。職業も「音楽家・俳優・文筆家」と「職業はひとつだけ」という考えを覆してくれた。今の僕が「音楽家・文筆家・画家」と語るのは言うまでもない、星野源の影響だ。むしろ真似に近い。

 星野源にハマってハマって、読めもしない本も買ってしまった。買った本は「働く男」の文庫本。小さいし、読みにくい。けど、僕の知らない星野源がそこにいた。

 僕は頑張って1ページ、1ページ頑張って読んで2か月かけて読み切った。面白かったというよりかは読み切った達成感が勝った。

 そこから、星野源を「知る」から「真似る」に変わり、僕は試しにおさがりで貰った古いパソコンでエッセイを書いてみたのが2017年の2月だった。

 

 そのせいか、あの頃のエッセイを読むと「締切」という言葉がよく出る。きっと星野源のそういうエッセイを読んで真似たのだろう。今もそうだが、誰かの真似をして生きるのは息苦しいものだ。せめて、誰かに真似されるような男にならなければいけない。

 最後に、このパソコンに残っている一番古いエッセイを載せておく。

 

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『かっこいい兄弟』

 「かっこいいはかっこ悪い」と言う言葉を聞いたことがある。しかし、うまく表すものが最近まで見つからなかった。この考えを変えてくれた映画が「ブルース・ブラザーズ」この映画の音楽や飽きないストーリー、大物過ぎるキャストなどすばらしい部分は次々と見えてくる。しかし、それはシーンの一つになっているのが長所でもあり短所だと思った。だが、共通点があった。それが、あの言葉だ。主役の二人はとにかく逃げて逃げてたまに歌ってまた逃げて。それ追う警察もこれでもかと言うぐらいパトカーの数で主役の二人を追う。そのせいでパトカーが何十台も転んで山になる。思わず「西部警察かよっ!」ってツッコミを入れたくなるぐらいだった。他にもかっこ悪いキャラクターがたくさん登場するので一度見てほしい。いや、見てくれ!

 

 話は変わって、なぜ「ブルース・ブラザーズ」を見るまであの言葉を表すものが見つからなかったのか。それはあまりにも身近すぎたからだと思った。灯台下暗しみたいな。僕もそんなエピソードがめちゃくちゃある。例えば、女性を前にしていつものように言葉を詰まらせて、やっと出た内容の大体が自慢で。その自慢に自分が酔って、べらべらとしゃべって、相手を困らせる。その時自分は「女性を前にしゃべってる俺、かっけぇ~」と思っているが、一歩後ろに下がればただの経験不足のダサ男。それもすぐに「ダサっ!」と思う。酷いときにはしゃべっている時突然ダサ男に戻ってしまう。こんなことはよくある。特にこんな行動は一度しかなかったが、今でもよく分からない。高校生の頃、授業が暇でいつも窓の外を見ていた。「勉強しろ!」って言いたくなるけどそこはご愛嬌。そして外を眺めることも飽きちゃって。そしたらメモ紙を細長く丸めてタバコのようにぷかぷか吸う真似をしてた。もちろんタバコに対する憧れも無い。周りの人もドン引き。けど、当の本人は、かっこいいと思ってる。意味不明。そして、ふと思う。「なんでこんなことしてるんだろう?」

 

 しかし、これを読んでいるあなたも「なんで?」と思った経験はあるはず。癖でも、習慣でも。これも最初はかっこいいと思ったことかもしれない。でも結局かっこ悪い。そう思うとかっこ悪い大人を見て、かっこいいと思った子供が必死に真似て、ある日かっこ悪いと気づいて飽きらめる。それをかっこいいと信じて大人になっても真似ている。それが「ブルース・ブラザーズ」かもしれない。「かっこいいはかっこ悪い」。いや、「かっこ悪いはたまにかっこいい」。

 

2017年2月4日

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