鷲尾翼のブログ

【エッセイ】#51『物を無くす天才』

 僕は物を無くす天才だ。

 これを読んでいる人は一度は経験したことがある「部屋にあると思っていたもの・カバンの中にあると思ったものが無くなること」が僕の場合、呪いのように襲い掛かる日々を送っている。

 

 元々僕は記憶力がない。

 よく「昨日の晩ごはんは?」という簡単な記憶力チェックみたいなのはあるが、僕の場合「さっき食べた朝ごはんは?」という質問が答えられない。

 なので、僕の中でのあるあるだが、キッチンで料理をしていると、部屋に置いていた携帯で調べ物をしたくなったので部屋に取りに行き、キッチンに戻ろうとすると、キッチンの蛍光灯の光に「えっ、誰かいるの?」と一瞬思ってしまう。もちろん、すぐに「あっ、僕だ。」と記憶が戻るが、こればかりかはどうしても歳をとっても治らないものだ。

 

 そこに加えて物をよく無くす。

 免許証がない、携帯がない、テレビのリモコンがないは日常茶飯事だ。大体の展開はこんなことばかりだ。

 

 「リモコンが無い」

 「多分、あそこにあるだろう…」

 「えっ!?、無い!」

 「どこだ…リモコン、リモコン、リモコン…」

 「無いじゃん!どこだよっ!!」

 

 こんなことばかりでイライラしてばかりだ。

 ふと思うと、僕がイライラする場合は5割が人間関係や街中で見る自分が苦手だと思うものを見たとき。残りがこういった「物忘れ」でイライラしてしまう。

 こういった物忘れでのイライラの根本は自分の欠点に直接ぶち当たるからイライラに繋がるからだ。

 

 よく「コンプレックスは個性」というアドバイスをテレビやSNSで見かける。この言葉で救われた人もいるし、僕も救われた一面もある。

 しかし、コンプレックスに変換された個性を発揮する場所が無い限り、自分しかその個性を感じることしかできない。そうなると、再び個性はコンプレックスに戻ってしまう。

 

 僕は色々自分の根本的な性格や個性、コンプレックスを何か思うたびに見つめなおし、ポジティブな言葉やエピソードに変えられないかと思う瞬間がある。8割ぐらいは「このままでいいか…」と現状維持になるものばかりだが、たまに「これからこう伝えよう!」と変換に成功する場合がある。

 この「物忘れ」という僕としては治したくても治せない呪いのようなコンプレックスを『天才』という言葉で表すことにした。

 

 「天才」という言葉は便利で、意味を調べると「生まれつき優れた能力を持つ人のこと」「天性の才能のこと」と特別な存在を証明してくれて、その隣にアインシュタインなどの歴史上の人物の画像が添付されている。

 さらに、能力についての査定がない。例えコンプレックスのような出来ないことでもそれを「能力」と定めれば、天才になれるのだ。

 

 だから、僕は「物を忘れる天才」だ。

 今日も物を無くし、イライラする能力と向き合いながら人とは違う日々を送る。

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