フリースタイルダンジョンで長年ラスボスとして勤めてきた般若が引退したのは日が経った今でも思う部分がある。
僕はフリースタイルダンジョンを毎週見ているHIPHOPファンではない。ましてや、にわかとも言えがたい存在だ。けど、たまにYouTubeでフリースタイルバトルを見るとすごく勉強になる部分がある。
一定のリズム、決められた小節の中でその場その場で即興で複雑な言葉遊び、韻の踏み方を使い戦うそのスタイルは毎度感心するばかりだ。
その中でもラスボス般若のラストバトルは血の気が騒ぐどころではない。血が抜かれていくような危険物を見ているような熱狂的なフリースタイルだった。
般若のラップは上手い韻を踏むというよりは「俺が般若!!!」と吠えるように伝えたいことを真っ直ぐに伝えてくスタイルだと解釈していたが、このバトルは自虐が多い。「俺はもうだめだ。だからお前に任せる。」と弱さも見せている部分もあった。
しかし、3試合目の言葉はどれも感謝や対戦相手のR-指定への確かなメッセージを真っ直ぐな目で真っ直ぐに伝える般若しか出来ないラップと言えるだろう。
このバトルを見てから再び自分の中でラップブームが来た。当然、般若の楽曲も聴くことも多かった。その中でもこの曲は般若のMVの中でトップクラスの再生数を記録している代表曲だ。
ラップの曲の多くはサンプリングという既存の曲を使った作曲法をする。この曲の場合、童謡の「おもちゃのチャチャチャ」をサンプリングしている。
般若自体も三枚目のお調子者キャラとしてメディアに出ていることも多いため、この童謡をサンプリングする辺りはある意味彼らしい曲とも言える。
一番でキケンなものを警察に見つかってしまうシーン、二番では浮気、三番では予期せぬ朝を迎えてしまうという何とも哀れなものだ。
MVもおかげでコントのように作られており、それだけでも完成度も高い。
けど、四番で会社でリストラに合うが、競馬の大穴に当たる終わりよければすべてよしなラストを迎える。
今挙げてきたポイントではただのコミックソングだ。しかし、それをカッコよく歌い上げているのはあの般若だ。
感情に合わせて抑揚をコントロールしているため、彼自身の三枚目な部分も引き立ち、早口でズバッと歌うカッコよさは相乗効果を生んでいる。
※上記のリンクはAmazonアソシエイトを使用しています。
般若の生きざまに憧れるラッパーは多いが、その誰もが般若のようにはなれない。常に背中を見せながら己の道を突き進んでく、それが般若だ。
多分。
【告知】
毎週土曜日21時にYouTubeでラジオ番組「鷲尾翼の青い電波塔」を放送してます!
詳しくは下記のリンクから!メールも募集しています!!!
【関連記事】
【今日のひとこと】
オードリーANNの武道館ライブDVDを見終わった。
きっと、僕のバイブルになる最高の映像作品でした!