鷲尾翼のブログ

鷲尾翼のブログ

音楽の話や連載エッセイ、ラジオの放送後記を随時アップ!

【エッセイ】#39『見破る偏見/マスク』

僕は人見知りだ。 最近は特にその症状が悪化して、ちょっと混んでつり革に掴まっている人が多い電車に乗ると、気分が落ち込む。そのせいなのか分からないが、人を見る目が少し変わった気がする。 それは、相手の裏の顔、仮面の奥の本当の顔を見破る能力だ。 …

【エッセイ】#38『脱力主義/ナポレオン・ダイナマイト』

久々に多忙だ。 「忙しい」という言葉は聞くのも言うのも抵抗があるが、今はそれに縋りたい気持ちでいっぱいだ。 簡単に説明すると、今は朝の6時45分。 2時間後にはワクチンの接種会場に向かうため、家を出なければいけない。なので、このエッセイを2時間、…

【エッセイ】#37『表と裏/ダークナイト』

この世界は「表と裏」で判断する。 表の虚構が正しいのか、真実の裏が正しいのか。その判断はその時代、その場所、その人次第で何回でも変わり続ける。時にそれは政治の判断力となり、些細な口喧嘩の終止符にもなる。 この判断力は、人それぞれで差量があり…

【エッセイ】#36『ある日の脱走日記/ムーンライズ・キングダム』

僕は皆が思う「学校生活」を送った経験がない。 クラスメイトのみんなと授業を受けて、少々の休み時間を思う存分に楽しみ、部活動に励み、青春を謳歌する。そんな誰もが思う学校生活を、僕は社会性が乏しい不適合者だったので、そんな景色を窓の外から見るだ…

【エッセイ】#35『めっちゃモテたい!/シングルス』

「めっちゃモテたい!」 この言葉は意外に人を動かす力を持っている。 エンタメの種類は多彩で、音楽や映画、小説や芸術、見るもの聞くものなど「五感」を豊かに、娯楽としてその人の人生の拠り所になる大切な存在だ。その多彩なエンタメの中にもジャンルで…

【エッセイ】#34『貴重で突然な休日/ローマの休日』

「休日」という時間は非常に貴重だ。 普通の社会人は土曜日と日曜日、この週休2日をどう過ごすかその人次第だが、自由の中のセンスを問われる。 僕の場合、バイトが週に4日あるので、休日は三日間だ。 しかし、毎週金曜日は映画館に行くことが多く、その趣味…

【エッセイ】#33『フラッシュバック/アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜』

僕はフラッシュバックに悩まされるている。 人間誰しも、過去に過ちを犯す生き物だ。仕事での失敗や失恋、些細な喧嘩も思い出すと自分を責めてしまう。こういう嫌な思い出は思い出したくても中々思い出せないもので、何気ないことで急に思い出し、奇襲される…

【エッセイ】#32『ナルドマクド/パルプ・フィクション』

ベーコンレタスバーガーを一言で表すと、食べやすいビッグマックだ。 僕はビックマックを食べるのが下手くそで、よく中の野菜をボロボロこぼしながら食べて、毎度自分の汚さにうんざりする。けど、ビックマックの味が欲しいとき、メニューの中で1番味が近い…

【エッセイ】#31『隠しきれない狂気/時計じかけのオレンジ」

人間、誰しも怒りや嫉妬、妬みや恨み、悲しみや苦しみに身を任せてしまう狂気を持っている。 僕は今、狂気に満ちている。 自分でも良くないモチベーションだと思うが、一日生きていればとにかく噛みつき、イライラしてしまう。夜勤のバイト終わった帰り道に…

【エッセイ】#30『R&Bとの出会い/ブルース・ブラザーズ』

僕はR&Bが大好きだ。 改めてR&BをWikipediaで調べると「1940−50年代に発展した黒人音楽の総称で、リズムやビートに乗りながら叫ぶように歌うのが特徴。ブルースやゴスペル、ジャズ、ファンク、ソウル、ディスコなど多種多様な形に派生している。別名『ブラ…

【エッセイ】#29『すれ違い/マイ・プライベート・アイダホ』

人は生きている今この時にも、周りとは違う人生を歩んでいる。 朝目覚ましのアラームと共に起きるのか、二度寝するのか、それともアラームすら設定せずにダラダラ過ごすのか。 朝ごはんはご飯か、パンか。それ以外か。そもそも食べないのか。 その日観るテレ…

【エッセイ】#28『こじらせた愛情/(500)日のサマー』

先日、ある人気俳優がトランスジェンダーと無性愛者であることを公表した。 僕はこのニュースにどこか親近感があった。 僕は相手の「感情」を受け取ることが苦手だ。 苦手という表現もまた難しくて、僕の場合、裏の裏を読みすぎる、考えすぎているが故に感情…

【エッセイ】#27『誰が謎で、謎は誰だ。/ファイト・クラブ』

僕は誰だ。 音楽家、文筆家、芸術家の三足の草鞋として活動をしているが、誰もそんなこと知らない。知るはずがない。 この自分で決めた活動の呪いが自分の身も縛る。 だからこそ、思う。 僕は誰だ。 音薬、大津、去術を対等なSKILLで身につけるのは至難の業…

【エッセイ】#26『霊に対する思いやり/ゴーストバスターズ』

僕はお化けや心霊現象は少し苦手だ。 得意という確信はもちろん無いが、断固拒否をするほど見たくない訳でもない。ホラー映画をキャーキャー叫びながら見るのは全然好きだが、実際に遭遇したくない。 だから、苦手ではなく、少し苦手なのだ。 霊の話をすると…

【エッセイ】#25『許せない/ジャンゴ 繋がれざる者』

人間、生きていれば許せない出来事や人に出会う。 学生時代に許せないことが起きたときに「大人になればこんなことは起きないはず」と思っていたが、成人を迎えた今、あの頃より倍近く許せないことを出会う。なんて愚かだ。 きっと学生の頃には分からなかっ…

【エッセイ】#24『何気ない家族/クレイマー、クレイマー』

ある雨の日、僕はいつものように映画館で映画を楽しんでいた。 上映が終わった頃はちょうどサラリーマンが目立つ昼時だった。僕もお腹が減っていたので傘をたたみ、近くのファミレスに入った。 しばらくメニューを眺め、僕はチキン南蛮のセットを頼んだ。少…

【エッセイ】#23『遠い街角でいつか/ミルク』

ある日、こんなCMを目にした。 ユニクロのCMで、桑田佳祐の「遠い街角(The wanderin' street)」と共に、同居している女性二人の映像が流れる。そこに花屋の店員役で出演している綾瀬はるかのナレーションでこう綴られている。 「一緒に住む。一緒に食べる…

【エッセイ】#22『くだらなく、ダラダラと。/ビッグ・リボウスキ』

はぁー、何もしたくない。 今こうやって毎週金曜日に更新しているエッセイを書いているが、正直やりたくない。締切に追われる文筆業は、残業に近い。 そもそも「仕事」とは何か。 仕事と楽しいことの違いは何か。 僕は音楽家、文筆家、芸術家の三足の草鞋で…

【エッセイ】#21『1時間の人生/きみに読む物語』

僕には叶えたい、というより、やり残したいことがある。 それは、人生の記録の一冊の本に残すことだ。 僕は今、23年という短い時間を過ごしてきたが、他の人より過酷な時間を過ごしてきたと思っている。 学校生活で言えば、小学校、中学校、高校とそれぞれの…

【エッセイ】#20『着こなす/プラダを着た悪魔』

僕はオシャレではない。 というか、自分から「オシャレなんです」というもんじゃない。 オシャレという言葉は、すごく曖昧だ。 ファッションセンスが優れていることの総称とも違うし、ブランドものを身につけてるからオシャレというわけでもない。結局はその…

【エッセイ】#19『天才という称号/ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』

世の中には「天才」と呼ばれる人がいる。 学問の天才、スポーツの天才、芸術の天才…数多とあるジャンルには、第一線で活躍する人がいる。 天才と呼ばれる人もまたそれぞれで、幼い頃から努力を積み重ねて活躍する人もいれば、天性の才能、そのカリスマ性で自…

【エッセイ】#18『成功に執着する呪縛/ウルフ・オブ・ウォールストリート』

僕は「成功者」という称号を憧れてしまう。 何をもって成功しているかはその人次第で、僕自身も正確な目標を定めていない。しかし、成功の二文字にはどうしても執着してしまう。 高々と聳え立つタワーマンションに住んでいるのは、明らかな成功者だ。仕事や…

【エッセイ】#17『見た目と中身と孤独/ドラゴン・タトゥーの女』

見た目の印象と中身は違うことが大半だ。 少し街を歩けば電車の出発時間に追われるサラリーマンや、歩きスマホをする若者、演説をする名もなき政治家、公園でのんびり過ごすおばあちゃん。しかし、この中に犯罪を企てる人がいてもおかしくない。 その逆で、…

【エッセイ】#16『子供と大人/グーニーズ』

子供と大人の違いは、簡単に言えば「20歳」かどうか。 日本では一般的に20歳を迎えたら成人と言われる。また、1年後の2022年4月から民法の改正で成人年齢を18歳に引き下がる。 確かに、高校3年生の頃から「進路」を深く考える。普通自動車の免許取得や進学、…

【エッセイ】#15『ほどほど/ブルーバレンタイン』

僕はその人を好きか嫌いかを仕分ける度合いが極端で苦手だ。 例えば、優しい人や面白い人など「好きなタイプは?」と聞かれたら当然のように上位に挙がる性格の人は人間として好きだ。だが、そんな今まで好きだった人でもちょっとした食い違いがあればいつの…

【エッセイ】#14『敗北の正体/リトル・ミス・サンシャイン』

僕はたまに負ける意味を考えてしまう。 負けることは、悔しい。 日常をのんびり過ごしているつもりでも、仕事場で怒られたり、飲食店で自分が頼んだものだけ遅れてきたり、雨の日に傘を差して一方通行の細い道を歩いていたら、向かい側に知らない人がスマホ…

【エッセイ】#13『スパイの掟/007 スカイフォール』

「スパイ」という職業は男なら当然憧れる。 スーツ姿で華麗に敵を倒し、見たことないアイテムを使いこなし、サイバー攻撃でハッキングしたり。何より極秘に活動するミステリアスなイメージが、スパイという職業の魅力を掻き立てる。 当然だが、僕はスパイに…

【エッセイ】#12『猟奇的な教育/タクシードライバー』

孤独は時に猟奇的だ。 人からどう思われようとも構わない。それに、考えていることは嫉妬と妬み、苛立ち。時にそれは殺意へと変わり、一歩踏み外さばシリアルキラーの仲間入り。 要は、孤独は殺人鬼予備群とも言える。 僕はそんな予備群の重症者のひとりだ。…

【エッセイ】#11『選択の末、孤独/グッドフェローズ』

「僕は孤独だ」 生まれてから23年と人より少ない人生だが、この悲壮感漂う言葉には何度も見てきたし、何度も言った。あまりにも「孤独」という言葉を使い過ぎているので、最近自虐表現を避けていたが、気が付けば挨拶代わりに使ってしまう。 多分、これから…

【エッセイ】#10『午後3時30分/ユージュアル・サスペクツ』

ある日の午後3時30分。 僕は「嘉志摩」という無人駅に足を運んだ。 足を運んだというより、僕が駅の乗り継ぎを間違い、仕方なく嘉志摩駅に降りただけだ。しかし、嘉志摩の景色は自然豊かなものだった。 澄んだ風になびく鮮やかな木々、昨日は雨が降っていた…